植村 佳織

つまみ細工 植村 佳織 Kaori Uemura

【工芸者略歴】
昭和50年生まれ
平成8年 ミニチュアのぬいぐるみ作家として活動
テディベアコンテストで受賞し、専門機関紙や個展や百貨店で展示販売。その後、腱鞘炎になり断念
平成30年 つまみ細工と出逢い、その小さな正方形の布から生み出される世界に魅了される
令和3年 森美紀氏に師事
令和4年 浅草神社に「花と螢」
令和5年 江戸川伝統工芸会入会

【つまみ細工】
小さな布を『折り』『つまみ』複数枚を組み合わせ四季折々の花鳥風月を形作り、簪や櫛を彩る江戸時代から伝わる東京都指定の伝統工芸です。

その始まりは、1785年京都の康照卿(やすてるきょう)が、妻の古着の切れ端を使ってくす玉の簪を作ったのがはじまりだと言われています。康照卿は竹を曲げて現在のピンセットのような道具を作ったり技法を研究し、つまみ細工の下げくす玉を作って、後桃園(ごももぞの)天皇へ献上したそうです。
そして、それを見た宮中の女官たちが着物の余り布を用いてつまみ細工を作り始め、琴爪の箱や文箱やお守り袋に装飾をしたりしていました。
その後、花びらかんざしの技法が生まれ、明治期には全国に広まったと考えられています。ただ師匠と弟子の間での技術伝承が行われていたため、書物として残っている物が少なく、正確な歴史や技術はあまり知られていません。

ちなみに、一見すると難しそうなつまみ細工ですが、丸みのある花びらの形をした『丸つまみ』と剣のように尖った『剣つまみ』この2種類のつまみの技法を応用しながら組み合わせ、様々な花などが生み出されています。

小さな正方形の布を1つ1つ『つまみ』作りあげるという枠の中で、布の種類や大きさ、色合わせで、無限の世界が表現できるつまみ細工はとても魅力的です。
私の作るものは、つまみ細工の技法を使っているもののボンドを使ったり、簪や櫛を彩るといった伝統的なものとは違うものを作る事が多いですが、つまみ細工の魅力と奥深さ、想像し作ることの面白さが伝われば嬉しいです。

伝統的な簪の多くは、生地のツヤと作品にした際に繊細で美しい仕上がりになるのが特徴の『羽二重』をカットし、でんぷん糊、ピンセットを用い作られていましたが、羽二重に限らず水分を吸う生地であれば縮緬や綿などの布等でも素材の持つ風合いを活かしながら作れます。また、ボンドは濃い布地では糊跡が残り汚れが目立ちやすいので注意が必要ですが、乾くのが早く手軽で丈夫なものを作る事が可能です。
材料を揃えやすく、親しみやすい伝統工芸だといえます。
つまみ細工にご興味を持っていただけたら幸いです。

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所在地:非公表
電話:非公表 
mail:yukiyanagi.nayuki@gmail.com
Instagram: http://www.Instagram.com/yukinohana_hana_hiraku

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直接オーダー:可 ※要相談
仕事場の見学:不可
体験の実施:現在不可
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