山口 作介

副会長 漆芸 山口 作介 Sakusuke Yamaguchi

漆芸
山口 作介

【工芸者略歴】

江戸川区指定無形文化財保持者

昭和28年 墨田区生まれ
     四代目 作介
     16歳より漆工芸を始める
昭和56年 日芸展 出品
昭和58年 江戸川区伝統工芸会会員
昭和61年 江戸川伝統工芸展 教育委員会賞受賞
平成 元年 江戸川伝統工芸展 教育委員会賞受賞
平成4年  江戸川伝統工芸展 区長賞受賞
平成9年  江戸川伝統工芸展 区長賞受賞
平成11年 江戸川伝統工芸展 区長賞受賞
平成14年 江戸川伝統工芸展 教育委員会賞受賞
平成17年 江戸川伝統工芸展 教育委員会賞受賞
平成20年 江戸川伝統工芸展 技能賞受賞
平成22年 江戸川伝統工芸展 区長賞受賞
平成24年 江戸川伝統工芸展 区長賞受賞
平成27年 江戸川伝統工芸展 技能賞授賞
令和元年  江戸川伝統工芸展 教育委員会賞受賞

【工芸者より】

伝統工芸として長い歴史のある漆芸をより身近に感じていただけるよう、近年ではアクセサリーや小物の制作、また美大生とコラボした作品の開発も行っています。

最近は、化学塗料の商品も増えており、一見して化学塗料か漆かどうかわからないものもあります。
しかし、私の作品から、漆本来の美しさを多くの方に見て・知って・感じて頂ければ幸いです。

かつて、私の師でもある父から、「修理が出来なければ一人前ではない」といわれました。
伝統工芸者として自身の作品制作はもちろん、お客様からのご依頼を受け、長年に渡り愛用し、大切にしていた品の塗替え、繕いなども行っています。
ご依頼品お預かりの際には、修理品の実物をご持参いただき、代金や修理に要する日数などを決めご相談させていただいています。

【漆や道具のお話】
漆は「うるし」という植物の樹液から精製されたものです。
漆の種類
・瀬〆(せしめ) 下塗りや拭き漆など、万能に使える漆。
         下塗りには砥の粉と瀬〆を同量で混ぜて使用
・黒中漆     中塗用の黒漆
・朱合(しゅあい)顔料を混ぜて、色漆を作る材料
         粉末状の顔料と朱合漆を良く混ぜで、顔料と漆が馴染むまで室で寝かせて使う
・ろ色漆     仕上塗の漆

漆は空気や湿気に触れて変色する為、保管には柿渋を塗った薄紙で蓋をしています。
漆を混ぜるヘラは、用途によって幅や長さの異なるヘラを桧の板で自作し、使用しています。
漆を塗る刷毛は、人の髪の毛が使われており、刷毛職人(人間国宝 故 泉清吉氏(埼玉))の刷毛を先代の父の代から愛用し続けている。この刷毛は毛が抜ける事もなく、毛の硬さも丁度よく使いやすい為、もう40年以上愛用しており、当初20cmほどあった長さの刷毛が今はもう半分以下に短くなっているが、これからも愛用していきます。

【工程】
木地職人が制作したものを元に漆塗りをしますが、木地職人の仕事の正確さによって、表面の凸凹などばらつきが有るため、塗りの作業に入る前に下地を整えます。
大まかな塗の工程としては
下地作り→下塗り→研ぎ→中塗り→研ぎ→上塗り→仕上げ研ぎ→磨き 
漆を塗ったら専用の漆室で乾かし研ぎを繰り返します。
下塗・中塗りは複数回ときには数十回に及び、その間の研ぎは炭使用します。
炭は表面の凹凸の状態や、塗りの作業ででた刷毛目の跡に合わせて、硬い炭から柔らかい炭まで数種類を使い分け、木地に細かな細工が有るような作品の場合には、細かく砕いた炭を指先に乗せて磨く繊細な作業です。
研ぎで使用する炭は“駿河炭”(あぶら桐の炭で、この炭を焼く職人は、現在日本に1人しかいないという)
私が得意とする、上塗り跡を消し、艶を出す研ぎの作業には駿河炭よりも更に柔らかい蝋色(ろいろ)炭を使います。
蝋色炭の研ぎ跡を消し、更に艶を出す為に、研磨材を使用し、指を使い磨き、最後の最後には自身の手のひらで磨き、まるで鏡の様に仕上げます。
サンドペーパーは一切使わず、昔ながらの技法で制作しています。

工房名:山口漆芸
所在地:〒134-0091 東京都江戸川区船堀2-13-12
電話:03-3689-2087 
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【以下のお問い合わせについては、直接工芸者へお問い合わせください】
直接オーダー:可
仕事場の見学:可 ※事前に必ずお問い合わせください
体験の実施 :不可