人形 新倉 綾子 Ayako Niikura
人 形
新倉 綾子
【工芸者略歴】
昭和16年 江戸川区平井生まれ
昭和47年 (財)人形美術協会入選 7回
(財)人形美術協会 教授
(財)人形美術協会 功労賞 10回
昭和62年 第 1回個展 渋谷にて
平成元年 第2回個展 渋谷にて
平成3年 第3回個展 人形町にて
平成6年 ジャパンフェスティバル トルコ出品
平成8年 ジャパンフェスティバル ワシントン出品
平成10年 ジャパンフェスティバル ミヤンマー出品
姉妹都市ゴスフォードに人形贈呈(江戸川区より)
平成7年 渓嘩会人形展 小田急デパートにて 以降7回出品
平成17年~ 毎年人形町 人形市に出展
平成20年 第24回伝統工芸人形展 入選
平成23年 ジャパンエキスポ2011 パリに出展
TBSドールショー 赤坂サカス 出展
平成24年 江戸川区伝統工芸展 技能賞受賞
平成27年 ジャパンエキスポ2014 パリに出展
平成29年 江戸川伝統工芸展 教育委員会賞
現在、教室3か所(木目込人形、市松人形、和の小物)などで指導して35年になります。
【人形のお話】
我が国では、人形は信仰の対象としての人像(身代わり)として作られたもので、ほとんど宗教的な意味で使われていました。
人間がはじめて形代(かたしろ)として使われたものには、自然のままの石や木片の人の形に似ている物を、形代として身代わりにしていました。
布を用いて着付を着せるようになったのは、室町時代頃からと考えられています。
身代わりとして作られた初めての人形としては、「天児(あまがつ)」と「這子(ほうこ)」があり、天児は男の子、這子は女の子で、稚子に降りかかる罪や汚れを代わりに受ける、信仰的な人形として使われました。
【人形が出来るまで】
人形ボディーの制作工程
まずは、油粘土で制作した原型を方眼紙に置いて、正面・背面・横に2センチのゲージを取ります。
実際に人形を制作する桐の木の面を平にして、正面・背面・横に2センチのゲージを書きます。
桐の木に引いたゲージに、原型を写しとります。
不要な部分を鋸で切り落とし、切り取った後の部分にまたゲージを書き、また不要な部分を取っていきます。
大まかな原型の荒彫りが出来たら、ノミや彫刻刀を使って原型と同じになるまで彫っていきます。
人形の制作では、最も手が掛かる作業が頭の制作です。
その材料は桐の木で、手で彫って作るのですが、
桐は木材の中ではとても柔らかいので、頭の部分は桐の中でもなるべく硬い所を使います。
彫った頭のパーツにはサンドぺーパーをかけてから薄絹をにかわで張っていきます。
その後、地塗り胡粉(ごふん)を3回程塗り、乾いたら又塗り・・・を幾度か繰返します、ほとんど顔の形がわからなくなるくらいまで重ね塗りをしていきますが、その後、晒(さらし)で丁寧に拭き取ります。
もとの顔が出て来ましたら中塗りになります。
地塗り胡粉を少しゆるく溶いて絹布で濾します、それを何度か塗り重ねて肌が綺麗になりましたら、次は、上塗りです。
上塗り胡粉を溶いて絹布で2回濾します、弁がら、黄おうで顔の色を作ります。
その時の胡粉の硬さは、牛乳くらいのゆるさです。
上塗り胡粉は2回程塗り、その後、表情豊かに、そして繊細に面相を書き、更に髪の毛を書きこみます。
髪の毛を書くのが一番手が掛かりますね。
教室では、手間暇かかり技術を要する創作人形を作る人は少なく、市販の木目込み人形を崩してから伝統工芸の技法で作っています。
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教室名:あすなろ
所在地:〒134-0091 東京都江戸川区船堀(番地はお問い合わせください)
電話&FAX:03-6312-6061
Instagram:https://www.instagram.com/ayadolljp/
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【以下については、工芸者に直接お問い合わせください】
直接オーダー:可
仕事場の見学:不可
体験の実施:可 ※事前お問い合わせが必要です。